on wings like eagles

日々ごはんを食べるように活字を食べて生きています。

ヘレン・シャルフベック展に行ってきました。

平日の午後、ふと思い立って休みを取り、ヘレン・シャルフベック展に行ってきた。この北欧の女性画家については全然知らなかったんだけど、少し前の日経新聞日曜版に特集が組まれていて、フィンランドの画家であること、大好きなシベリウスと同時代に生きた人であることから、興味を持っていたのだ。

上野にある東京藝術大学の美術館で開催されている。千代田線を根津駅で降り、少し歩いた。

純粋にシャルフベックの作品だけなので、全部で80数点、割と小ぢんまりとした展示。画家の生涯を追うように、年代別に5つのテーマに分けていて、作風の変化もわかりやすい。派手なところは全然ないんだけれど、フィンランドの自然を反映したかのような色づかい、自身障害者(幼い頃からずっと脚が悪かった)であることから来るのかな、描かれている人物の表情の、悲しみを湛えた優しさに心打たれる。予想外に良かったです。

個人的には初期の作風が好き。脚が悪いために自宅にこもりがちで、自画像を描くことが多く、死を見つめて描かれたかのような晩年の作品群は、画家の心情がリアルに表出されていて、見ていて少々辛いものもある。

絵ハガキを何枚か買いました。東京のあとは仙台、広島、神奈川の葉山へと巡回する予定。多分、何度も企画される種類のものではないから、これだけまとまった展示を見られるのは今回だけじゃないかな。